コブダイといえば、おでこの大きなコブが印象的なお魚です。実は、コブダイは幼魚のうちは普通のお魚と同じような姿です。大きくなるにつれておでこは膨らみ、あごはもりっとして、おなじみのユニークな表情になるのです。ちなみにあの大きなあごにはびっくりするほど長い牙が隠されています。強い歯で貝も殻ごとバリバリ食べてしまうワイルドな一面があるんですよ。
コブダイは、刺身にするとその外見とは打って変わって上品な姿になります。透明感のある身と血合いの淡い赤のコントラストがなんとも美しい！身は柔らかく、〆た直後の歯ごたえの良さ、数日後のねっとりとした食感、どちらも魅力的です。口に含むと脂の甘みとやわらかい旨味が口の中に広がります。これでも十分美味しいのですが、皮の近くに脂がたっぷりあるので、ぜひ皮を残して炙っていただきたい！思いがけないこりこりの皮の食感にまず驚き、そして皮の存在で増した甘みと旨みにもう一度驚きます！
生でもおいしいコブダイですが、煮つけにすると、弾力と旨みが出て他の魚にはない抜群のおいしさになります！
特に、頭の身は硬くなりすぎずほろっと絶妙な食感でジューシー！目の下のお肉も絶品です。とろんと柔らかい食感、溢れ出る脂！たまりません！皮はまるで鶏皮のようにプルプルとして食べ応えがあり、身と抜群の相性。気になるコブは、脂肪を含む組織があるのでふにふにの新食感！コラーゲンたっぷりの唇も忘れずチューっと吸ってください！
コブダイの頭ならではの様々な食感をぜひ楽しんでくださいね！
また、ゼラチン質が多いので、アラ煮を寝かせると見事な煮凝りができますよ！ちょっと練りからしを付けてお酒のアテにしてもよし、ほかほかのご飯にのせるもよし。煮汁を固めた煮凝りならば、オトナで上品なひと品になりますよ！！