マグロ一筋、約40年。世界の海から、旬のマグロを全国へ。「山菱水産」

厚い信頼で築いた広いネットワークを活かし、世界中の海から旬のマグロを厳選、鮮度と品質に優れた逸品に仕上げる「山菱水産」。今回は同社の特徴的な生産体制や地元水産業の将来を見据えた想い、国内の水産メーカーでトップクラスの生産量を誇るという「マグロのたたき」といった商品などをご紹介します。

 

福島・小名浜を拠点に、海外にネットワークを構築

古くから水産の町として栄えた、福島県いわき市小名浜地区。その沿岸や沖合で獲れる魚介類は品質と鮮度に優れた「常磐(じょうばん)もの」として、水産関係者をはじめ、多くの人たちに高く評価されています。

その常磐ものが水揚げされる主要な港の一つ・小名浜港を拠点に、世界の産地からマグロを仕入れているのが山菱水産株式会社です。同社の東京OFFICEで、シニアマネージャーの宮地努さんに話を伺いました。


魚の王様「マグロ」を中心にさまざまな商品を展開

 

ワンストップの生産体制でニーズをいち早く商品づくりに反映

山菱水産は1977年、海産物の卸問屋として創立しました。「そのルーツは江戸時代にまで遡ります」と話すのは宮地さん。「創業家では江戸時代から代々、マグロ船の船主をしていたそうです。その長い歴史の中でマグロを取り扱うノウハウが培われてきました」。


1977年2月に創立された海産物卸問屋「山菱水産」


宮地努 シニアマネージャー

同社の大きな特徴の一つが、仕入れから商品開発、加工、出荷、配送まで、一貫してトータルプロデュースを行っていることです。これによりバイヤーなどからニーズをいち早く汲み上げ、それを仕入れや商品づくりに反映することができるといいます。「お客さんが求めているものを念頭に必要な分だけ仕入れているので、鮮度と品質が高い原料のみを使用することができます」。


熟練の職人が目利きして仕入れ


先進的な設備で品質管理が徹底された生産工場

そのマグロの調達は「会社を設立して2代目となる現在の代表が、海外を駆けずり回り、現地との信頼関係を築いて」(宮地さん)構築したという海外との広いネットワークをいかし、世界中の海から仕入れています。産地ごとにマグロの種類や旬の時期、品質などが異なるため、それらを徹底して考慮し、求められている商品にはどれが最適かを見極めています。

こうして作られる山菱水産の商品は、マグロ本来のおいしさが味わえると評判です。その中から、魚ポチで取り扱っている代表的な商品をご紹介します。

 

とろけるような上品な甘みが絶妙な「冷凍たたき」


原料には厳選した上質なマグロを使用

国内の水産メーカーで生産量トップクラス、山菱水産の主力商品であるマグロのたたき。たたきと一口でいっても、同社では何と20種類以上のたたきをラインナップ。どれも刺身として食べてもおいしいマグロを使用しており、とろけるような上品な甘みを楽しむことができます。その味へのこだわりは、油脂の研究を行うほどです。


選りすぐりのマグロをトリミングして原料に


油脂の研究風景。試食を繰り返しながら、配合などを調整

 

国内外の旬のマグロを味わえる「切り落とし」


原料選定に加え、解凍、保存、加工に至るまで品質を追求

山菱水産では、“マグロの王様”本マグロをはじめ、さまざまなマグロの切り落としも充実しています。国内外の産地で水揚げされたマグロは、すぐに冷凍や加工が施されるため、鮮度抜群。お寿司をはじめ、多彩な料理に手軽に使用することができます。

 


ハラミを使ったボリューム満点のマグロステーキ


ヘルシーでプリプリとした食感が楽しめる尾の身のからあげ

その他にも、同社ではハラミや尾の身など、根強いファンが多い希少部位を取り扱っている場合も。
宮地さんは「弊社はマグロ一筋、約40年。毎年数万トンものマグロを取り扱ってきました。そのノウハウを活かして、よりいい産地、時期のものを提供できるので、ぜひお試しください」とおすすめしてくれました。

 

小名浜と水産業への想いを、これからも

世界の海をフィールドにしている山菱水産ですが、本社のある小名浜の水産業にも大きく貢献しています。東日本大震災では本社や小名浜工場が被災したものの、地域の水産業のパートタイマーの方を含めて、雇用を確保し続けました。


2013年3月に操業を開始した新社屋、本社工場

また、小名浜港では遠洋マグロ延縄漁船「第38漁福丸」と協業。2014年には民間のマグロ延縄漁船で初めて、小名浜港に冷凍マグロの水揚げを実現。以降毎年1回、太平洋沖で漁獲したマグロを水揚げしています。その水揚げされたマグロは同社で加工され、「漁福丸ブランド」として地元のスーパーマーケットに展開。震災後、風評被害に苦しんできた漁業の復興の旗印として、人気商品になっています。


最新の延縄システムを備えた「第38漁福丸」


「福島丸」のマグロ販売は、おいしくてお買い得と好評

さらに、山菱水産では将来を見据えた取り組みも進めています。その一つが、いわき海星高校の実習船「福島丸」で獲ったマグロの商品化。地域の水産業を担う若手育成に加え、漁業の6次化モデルづくりをサポートしています。

宮地さんは「これからもおいしいマグロをご提供するために、小名浜はもちろん、国内外の大切な水産資源を守り続けていきたいですね」と山菱水産の今後について語ってくれました。

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冷凍昆布まぐろ切り落とし
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