東京から2時間30分ほどで行ける港町・那珂湊には、干物やみりん干しなど、おいしい水産加工品がたくさんあります。本記事では、干物が人気の水産加工会社、樫村水産を紹介します。
絶品の魚の加工品が楽しめる港町・那珂湊
茨城県にある那珂湊(なかみなと)は、伝統的な港町。明治時代から漁業や魚の加工業で栄えてきました。今も、ヒラメやシラス、カレイ、アワビなど、さまざまな魚介類が水揚げされています。
那珂湊漁港に隣接する「那珂湊おさかな市場」
さらに、那珂湊には、ユニークな水産加工技術を持つ会社が多くあります。地魚だけでなく、欧州から輸入した魚や、アフリカから取り寄せたタコなどを、質の高い商品に加工しているのです。
今回は、そんな那珂湊で人気の干物をつくる水産加工会社、有限会社樫村水産を紹介します。
絶品の干物をつくる樫村水産
樫村水産の店舗「五代目常造」の直売所
樫村水産が事業を始めたのは、明治時代の初めごろ。当時は、鮭を獲る漁師たちを束ねる網元でした。
水産加工に取り組み始めたのは、1964年から。当時扱っていたのは、ししゃもだけでしたが、その後、東京の築地市場で魚の目利きを学んだ樫村義一さんが五代目社長になり、2000年代以降は加工する魚種をどんどん増やしていきました。
現在は30種類ほどの魚を加工しており、その味に多くのファンがいます。
「干物づくりは、魚種ごとに加工の手順やさばき方、パッケージング方法が異なります。30もの魚種を加工できるのは、熟練の職人たちのおかげです」と語るのは、社長の樫村義一さんの息子、樫村俊亮さんです。
同社の社員のほとんどは、自ら包丁を持ち、魚の加工に携わっています。中には、20年以上も包丁ひとすじに加工に取り組んできた社員もいるのだとか。
加工場を見学すると、わき目もふらずメヒカリやキンメダイの加工を行う社員の方々の姿が。手際よく魚をさばくその姿から、彼らの熟練ぶりが伝わってきました。
アジの干物。絶妙な塩加減と濃厚なうまみで、焼くだけでおいしく味わえる。代々受け継がれた経験・知識・目利きをもとにした製品は「五代目常造」ブランドとしても皆に知られている。
もっとも、樫村水産のこだわりは、職人の包丁さばきだけではありません。
たとえば、干物をつくる時の塩水。これは、ミネラル分豊富な長崎県五島灘の塩を活用。さらに、衛生管理に気を付けつつ、30年にわたり“継ぎ足し”をしながら使っています。こうすることで、これまでの魚のうまみも溶け込み、濃厚な味わいの干物がつくれるのです。
そんな樫村水産の商品のうち、今回は魚ポチで販売している「冷凍メヒカリIQF」「訳あり加工品」を紹介します。
“常磐もの”の冷凍メヒカリIQF
樫村水産では、全国の飲食店向けに「冷凍メヒカリIQF」を加工しています。
この商品で注目したいのは、“常磐もの”を使っていること。
福島～千葉県の沖合では、黒潮（暖かい海流）とともに北上してきた魚が、親潮（冷たい海流）で発生した大量のプランクトンを食べて大きくなることから、質のいい魚が獲れます。ここで獲れる魚は、“常磐もの”と呼ばれ、高い評価が与えられています。
メヒカリは日本全国で漁獲できますが、樫村水産の商品は、 “常磐もの”にこだわっています。そのため、「冷凍メヒカリIQF」は、サイズが通常のものより大きめで脂がのっており、身や骨も柔らかく、唐揚げにすると骨まで丸ごと食べられるのです。
また、メヒカリは深海魚のため、漁獲されたときには泥が付いていることがあります。樫村水産ではこれを丁寧に落としたうえで、マイナス30〜35度で急速冷凍。鮮度を逃がさず、おいしさを保っています。
さらに、本商品はIQF（Individual Quick Frozen、個別急速冷凍）のため、バラで冷凍されています。そのため、小分けにして使いやすいというメリットもあります。
「冷凍メヒカリIQF」の魚ポチ掲載ページはこちら
※欠品などにより掲載がない場合がございます。
訳あり加工品
マアジの開き
「訳あり加工品」として販売しているのは、サンマの丸干し、マアジの開き、オランダアジの開き、メヒカリの開き、マイカの一夜干しなどの干物と、そのまま惣菜として使えるヤリイカのバジルソースがあります。
「訳あり」と付いているのは、漁獲や加工の時に頭や尻尾などが取れたり、傷ものになってしまったりした干物たちだからです。頭や尻尾がないと、見栄えが悪くなってしまい、市販が難しくなります。
ヤリイカのバジルソース
しかし、「訳あり」となっても、味は通常の干物と変わりません。かつ価格は安くなるので、飲食店でもお得に使えます。
近年、SDGsが打ち出され持続可能な社会づくりへの機運が高まる中、フードロス削減の観点から訳あり食品への注目が高まっています。こうした中、樫村水産の「訳あり加工品」も、安くておいしく、社会貢献にもつながるという、“一石三鳥”の商品と言えるでしょう。
このほか、多彩な魚種の加工品を一社でそろえられるというのも、さまざまな魚の加工技術を磨いてきた樫村水産ならではです。
「冷凍真あじ開き【キズ品】30枚入り」の魚ポチ掲載ページはこちら
「冷凍サンマ丸干し【訳アリ】40尾入り」の魚ポチ掲載ページはこちら
「冷凍ヤリイカ<バジルソース掛け>150g」の魚ポチ掲載ページはこちら
「冷凍ヤリイカ<バジルソース掛け>150g×12入」の魚ポチ掲載ページはこちら
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今後にさらなる期待
樫村水産では現在、「冷凍メヒカリIQF」を内臓や頭まで取った状態にして販売することを検討するなど、よりおいしく、より使いやすい商品の開発に余念がありません。
老舗でありながら、若々しい挑戦心をもって、さらにおいしい水産加工品をつくろうとする樫村水産。今後、ますます期待が高まります。
（記事・画像提供：MATCHA）