「ふくしま常磐もの」を知る、出張レポート <いわき編>

いわき

ふくしま常磐ものフェア実施にあたり、魚ポチスタッフたちは福島の現地を視察してきました。まず向かった、いわき市沼之内魚市場(または豊間漁港)は、付近の海域が黒潮と親潮がぶつかるため、魚の餌となるプランクトンが大量に発生する好漁場です。朝8時半、漁港に到着するとすでに魚介類が入ったカゴがたくさん並べられており、ヒラメやホッキ貝、ホウボウ、アナゴ、水タコ、アンコウなど……新鮮な魚たちが続々と運ばれてきます。漁港は活気で満ちあふれ、魚を運ぶ漁師さんや仲買人さん、漁協の方々など漁業関係のみなさんがセリの始まりを待ち賑わっていました。

漁港

泳ぐ魚

いわき市漁業協同組合・専務理事の新妻さんは「ホッキ貝をこうやって叩くと全然ちがうよ、ほら食べてみ。」と、その場で獲れた大きなホッキ貝を手早くさばき、まな板に叩きつけ、硬くちぢんだ身を私たちに提供してくださりました。驚くほどコリッコリな歯ごたえと鮮度の良さ、磯そのものの美味しさに、スタッフ一同感動です。 新妻さんに福島の魚の魅力をきくと「常磐ものは顔がいい。小顔で目が美しい魚が多く、魚体はツヤがあり肉厚。身質と味の良さには自信があります。福島の人たちは、鮮度抜群の魚をみんな毎日食べているよ」と語っていただきました。

ホッキ貝

とれたての魚1

とれたての魚2

魚の選別

魚は魚種ごとにサイズ分けされ、きれいに選別されます。漁港に並んでいるヒラメやホウボウなどの魚を見て驚いたこと、それは魚体の大きさ。 福島県では現在は試験操業*にとどまり水揚げ量は限定されているため、海のなかの多くの魚介類たちはよく育ち、年々大きくなっているようです。ヤナギムシガレイをサイズ選別していた漁港の方も「昨年より1~2cmくらい大きくなっていますね」と、その大きさを実感されていました。漁港には女性たちの姿もあり、夫の漁を奥さんたちが支えるスタイルが一般的なのだそう。水タコが入ったカゴの前で作業をしていた奥さんは、泥が付着しているものとしていないものを選別していました。声をかけると「タコについた泥落とすのって大変だから」といいます。丁寧な選別作業、そして家族共同で漁業を行う姿がとても印象的です。

漁港を支える奥さん

タコ

続いて向かったのは、同じいわき市にある小名浜魚市場。震災後の福島の漁業を支える県南の一大拠点港として再整備され、衛生面や安全面を考慮した最新の設備を備えています。

小名浜魚市場

いわき市の魚「メヒカリ」が水揚げされていました。深海魚のため目が異様に大きく不思議なからだに見えますが、味は超絶品。常磐もののソウルフード的な存在です。特にメヒカリのから揚げは定番料理。漁港近くで鮮魚店を営む仲買人さんは「常磐もののメヒカリは、鮮度が良く、さらに皮が薄く脂がよく乗っている。干物にしても脂がのっているからほとんど縮まない。普通はこうならないね。」といいます。最近は都内でもその美味しさが評価され、魚ポチで掲載中の福島産メヒカリ干しは人気商品です。

メヒカリ

午後1:30。カツオ船が入港するとの情報が入り、私たちも小名浜港へ。すでに港は漁船待つ人々で賑わっており、水揚げされたばかりのよく太った新鮮なカツオを見ることができました。小名浜の夏の風物詩といえばカツオ。福島は全国でも有数のカツオの消費地で、刺身だけでなく様々な家庭料理でカツオを楽しみます。なかでも郷土料理「カツオの揚げびたし」は有名です。10~11月のフェア開催中には、メヒカリやサンマなど小名浜で水揚げされる魚もラインナップに入りますよ!

第二十二寿和丸

水揚げ

セリ

安全・安心の取り組みについて

福島県では、モニタリング検査を通じて安全が確認された魚種のみを限定的に水揚げし、販売する試験操業を行っています。さらに水揚げ日毎の各市場においても自主検査(スクリーニング検査)を実施し、各段階での検査を行うことで安全な魚が出荷されています。

スクリーニング検査

前処理の様子

【スクリーニング検査】
試験操業で水揚げを行っている相馬市(原釜魚市場)といわき市(小名浜魚市場)の2箇所の産地市場に検査機器を配置し、研修を受けた漁協の職員たちが水揚げ日毎に行っています。
【前処理】
検査の流れ:水揚げ日毎、魚種毎に1検体以上を採取します。表面の汚れを落とし、食べる形態に合わせて処理します。検査機器の特性に合わせて、ミンチや切り身にします。
【検査】
検査室にて検査をおこないます。県漁連の出荷方針では、50Bq/kgを自主基準としています。これは、間違っても100Bq/kg(国の基準値)を超える魚介類を出荷しないためです。

このように飲食店様、来店者様も安心して食べていただくために、県と漁業者が連携し、安全・安心の取り組みを進めています。

※試験操業とは
福島県の沿岸漁業(沖合底びき網漁業を含む)は、原子力発電所事故の影響により操業自粛を余儀なくされています。このような中、福島県による4万件を超えるモニタリングの結果から安全が確認されている魚種もあります。このような魚種を対象に、福島県の漁業再開に向けた基礎情報を得るために、小規模な操業と販売により出荷先での評価を調査する「試験操業」を行っています。販売される漁獲物は福島県漁連が中心となり、放射性物質の検査を行っています。

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