【三陸・常磐の水産加工品特集2021】銚子の新鮮なイワシの味わいを食卓へ「宮澤食品」

銚子漁港で水揚げされるイワシやサバなどを原料に、仕入れから加工まで一貫して手掛ける「宮澤食品」。鮮度や味が自慢の商品や同社の歴史、地域への想いなどについて紹介します。

 

10年連続日本一の水揚げ量を誇る千葉・銚子漁港

江戸時代に始まり、350年以上の歴史を持つ、銚子の漁業。銚子の沖合では、暖流の黒潮と寒流の親潮が激しくぶつかり合い、魚のエサとなるプランクトンが大量に発生します。さらに利根川からは豊富な栄養が流れ込み、銚子漁港にはイワシやサバ、サンマをはじめ、カツオやマグロといった大型の回遊魚まで、約200種類の魚介が水揚げされます。年間の水揚げ量は常に国内トップクラスを誇り、2020年も27万トンを超え、10年連続で日本一となりました。


銚子漁港の水揚げ

 

仕入れから加工まで自社で行う「宮澤食品」

銚子漁港から利根川を挟み、車で10分ほどの距離にある茨城県神栖市波崎地区。波崎漁港や「はさき漁協魚市場」に隣接する土地で、イワシの寿司ネタを中心にバラエティー豊かな加工品を作っているのが「宮澤食品株式会社」です。

「このあたりは、銚子の水揚げをもとに創業した水産業の会社が多いですね。魚を獲ってくる漁船、魚を売る市場、魚を商品にする加工業が協力して、地域を活性化させてきました」。そう話すのは、同社の4代目で専務取締役の宮澤優太さんです。さらに会社の歴史について説明しました。「弊社は50年以上前から『マルセ』の屋号で、銚子漁港や波崎漁港で揚がるイワシ、サバといった青魚を買い付け、凍結させて販売していました。そして、20年ほど前から、自社で加工も行うようになりました」。


宮澤優太 専務取締役

同社の特徴は、仕入れから加工まで一貫して行っていることです。「自社で直接仕入れているため、原料が新鮮なままスピーディーに加工することができます。特にイワシは傷みやすいため、素早い処理が必要です」と宮澤さん。
銚子漁港での買い付けは、宮澤さんとその父親である3代目の二人で行っているそうです。「市場で入札する際は、魚が獲れた時間や場所、漁船などを一つひとつ確認して、脂がのった鮮度が良いものだけを選んでいます」。


仕入れた原料を新鮮な状態のまま加工

 

震災による風評被害を乗り越えて

2011年の東日本大震災で宮澤食品は、工場や事務所が損壊。また、停電により凍結庫の原料が解凍されてしまったり、水道が停止したりといった被害もあり、本格的な商品供給まで1年以上の時間を要しました。

さらに原発事故の風評被害によって、銚子漁港で水揚げされる魚の評価が落ち、取引も減少しました。「検査により安全性は証明されていたものの、信頼を回復するには最低でも3年以上はかかりましたね。また、弊社の商品は海外への輸出も多くありますが、現在でも一部の国では輸出が制限されています。そのため輸出先を変えるなど、新たな販路を切り拓いています」と宮澤さんは話しました。

それでは、銚子漁港で水揚げされたイワシを使った宮澤食品の商品の中から3つを厳選して紹介します。

 

魚の旨味を十分に感じられる「冷凍ボイルいわしつみれ」

魚ポチで絶大な人気を誇る一品です。つなぎをほとんど使わず、魚肉を90%以上したイワシのつみれは、家庭でおばあちゃんが手作りしたような素朴な味わいです。「鍋やおでん、煮つけにすると、出汁がしっかりと出て、豊かな味や香りが引き立ちますよ」と宮澤さんは話しました。


冷凍ボイルいわしつみれ

「冷凍ボイルいわしつみれ」の魚ポチ掲載ページはこちら
※欠品などにより掲載がない場合がございます。

 

多彩な料理にアレンジできる「冷凍銚子産いわしフィーレIQF」

マイワシの身を丁寧に三枚におろし、小分けして凍結したフィーレ。味付けしていないため、店や好みにあわせてアレンジができ、ムニエル、フライなどの洋食にも便利です。宮澤さんは「加熱するだけで、さまざまな料理に使うことができます。蒲焼きやソテーなどにもおすすめです」と教えてくれました。


冷凍銚子産いわしフィーレIQF


イワシのフライ

「冷凍銚子産いわしフィーレIQF」の魚ポチ掲載ページはこちら
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さっぱりした味覚を楽しめる「冷凍銚子産いわしフィーレ酢〆」

宮澤食品がメーカーに特注してブレンドしている酢は、優しく控えめな味付け。イワシの身はあらかじめカットされているため調理も簡単で、寿司はもちろん、そのまま刺身にしたり、玉ねぎや黒ごまとあわせてマリネにしたり、さまざまなメニューに活用することができます。


冷凍銚子産いわしフィーレ酢〆


酢締めのイワシの刺身

「冷凍銚子産いわしフィーレ酢〆」は魚ポチ掲載はございません。

 

地域の水産業を守り続けるために

将来、宮澤食品を背負って立つ宮澤さんは、会社の枠を超え、地域の水産業へ想いを巡らせています。「昔に比べると、水産業の会社は半分以下になっており、若い人たちも東京へ出ることが多くなりました。これからも地域の大切な資源として水産業を守っていくために、若い人でも働きやすい環境を整えるなど、自分にできることをやっていくつもりです」。
最後に、魚ポチをご覧の飲食店へ向けたメッセージをお願いしました。5年前まで8年間、寿司ネタを販売する小売業で働いていた宮澤さんは「さまざまな会社や工場で得た経験を、少しずつ商品づくりに落とし込めています」と話し、「商品の原料は社長と私で直接目利きし、脂がのった旬のイワシを仕入れており、鮮度、味には自信があります。ぜひ一度、お試しください」と続けました。

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